電気の時代 2009 10 25

書名 金融危機で失った資産を取り戻す方法
著者 中原 圭介  フォレスト出版

 この本は、書名からすると、投資家向けの本に思えますが、
読んでみれば、「これから来る時代は、どうなるか」という視点で、
書かれた本ですので、一般の人向けかもしれません。
 石油の時代から電気の時代になったら、どうなるか。
その過程で、環境バブルが発生するかもしれません。
そういう表現では、抽象的なので、
「原子力と電池」バブルと言った方がよいかもしれません。
 株式市場では、すでに関連銘柄が高騰しましたが、
また高騰、いやバブルになる可能性があるかもしれません。
 スマートグリッドで使う電気も、
電気自動車で使う電気(充電)も、
原子力発電で供給すると考えれば、
テーマとして地味だった原子力に注目が集まるでしょう。
 バブルという話が出ましたので、
いかにもバブルらしい話も、この本には出ています。
 排出権取引、これこそバブルかもしれません。
何しろ、空気(二酸化炭素)を売買するのですから、
究極のバブル材料かもしれません。
 サブプライム・バブルは、曲がりなりにも、
不動産や住宅ローンという実体がありました。
 排出権取引は、空気という目に見えないものを売買します。
さらに、二酸化炭素の排出量も、国レベルや地球レベルでは、
正確に測定できないでしょう。
そもそも、二酸化炭素が地球温暖化の原因なのか、
首をかしげる科学者も多いのです。
 もしかすると、排出権取引は、
新興国を地球環境保護運動に参加させるための
「撒餌(まきえさ)」かもしれません。
 しかしながら、我々の経済学では、
バブル後遺症は、バブルでしか治せないのです。
 それは、最近のバブルを見れば、わかることです。
ITバブル、住宅バブル、証券化バブル、
変わったところで、対テロ戦争という国防バブル。
 このようなバブルがはじけた以上、
また新たなバブルを作り出さないと、世界経済はもたないでしょう。
少なくとも、先進国の経済は、そう言えるでしょう。
 後世の歴史家は、何と言うのでしょうか。
経済政策というと、難解な学問にも思えたが、
結局、バブル・リレーに過ぎなかったと。














































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